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杭基礎とは?直接基礎との違いや素材別の基礎杭の種類や特徴を紹介
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2023年10月10日
基礎には直接基礎と杭基礎の2種類がありますが、杭基礎も素材や工法によっていろいろな種類に分かれます。
杭を地中に打ち込んで建物を支えるため、地盤の軟弱な土地での建設工事でよく使われる工法です。
本記事では杭基礎について詳しく解説。
杭の素材別の特徴、種類を紹介します。
杭基礎とは?直接基礎との違い
建物を建設する時には、地面と建物を繫げる基礎部分を作る基礎工事が不可欠です。
基礎には建物の荷重を直接地面に逃がす直接基礎と、杭で建物を支える杭基礎の2種類があります。
直接基礎は建物のすぐ下に基礎があり、建物の荷重を直接地面にかける基礎工法です。
地盤が軟弱で建物を直接基礎では支えきれない場合は、地盤の奥深くにある支持層まで杭を打ち支える杭基礎を採用します。
直接基礎ではなく杭基礎を選ぶメリットは?
杭基礎を選ぶメリットは、地盤が軟弱な土地でも地下にある硬い地盤まで杭を打ち込むことで、建物をしっかりと支えられることです。
建物の一部が沈み込んでしまう不同沈下や、地震発生時の建物の傾斜や基礎の破壊を防ぎます。
杭基礎のデメリットは?
杭基礎のデメリットは、直接基礎に比べると施工に技術が必要で、工事費用も工事期間もかかることです。
また、支持層までの距離がある軟弱な地盤の場合は、長い杭が必要になり、コストがかかり過ぎるケースもあります。
杭基礎と直接、、礎の併用は不可
杭基礎と直接基礎という支える仕組みの違う2つの基礎を併用すればより強固な基礎が築けると思われる方もいるかもしれません。
しかし、同一の建物において直接基礎と杭基礎の併用することは、建築基準法により原則として禁止されています。
その理由は、直接基礎と杭基礎のような異種基礎を併用すると、建物が不揃いに沈下する不同沈下を起こしやすくなるからです。
杭基礎の種類
杭基礎には摩擦杭と支持杭の種類があります。
摩擦杭とは、数mの杭を多数打ち込んで、杭と地盤の摩擦で建物を支える工法です。
支持層が地中深くにある場合、4階建て程度の比較的小規模なマンションやオフィスビルなどの建設に採用されます。
一方、支持杭は地中の硬い地盤(支持層)まで杭を打ち込む工法です。
建物の荷重は支持杭を通して硬い地盤に逃がすため、軟弱な地盤でも安心です。
基礎杭に使われる素材とその特徴
基礎杭に使われる素材は、木材、鋼、コンクリートの3つがあります。
ここでは、各素材の杭の特徴について解説します。
木杭
木杭は木材を使用した基礎杭で、日本では古くから基礎杭として使用されていました。
日本最古の木杭と言われているのは、神奈川県にある旧相模川橋脚の持った杭で、鎌倉時代に建設されたものだそうです。
木杭というと腐食や耐久性が懸念されますが地中では酸素が薄いため腐食しにくく耐久性も高いです。
近年はコンクリート製の杭や鋼製の杭が主流ですが、環境に影響を及ぼすことのないエコな素材として再注目されています。
鋼杭
鋼杭は鋼管を杭として使用するもので、垂直方向にも水平方向にも高い耐久性を誇ります。
鋼杭を使った基礎は強固なため、高層ビルや大型マンションなど耐震性能を求められる建造物に使用されています。
鋼は素材自体の強度が高いため、大きな打撃力にも耐えられるため打撃工法に向いています。
また、鋼杭の形状は円筒状のものとH型のものが多いため、抵抗力が少なく地盤に貫入しやすいのも特徴です。
ただし、鋼杭は水によって腐食することがあるため、水気の多い場所での使用には注意が必要です。
コンクリート杭
コンクリートを使った杭は、土の中で腐食する心配がないため、マンションやオフィスビルなどの大規模な建造物で強度の高い基礎杭が求められる時に使われます。
コンクリートの中には強度を保つための鉄筋が入った鉄筋コンクリート、場所打ち杭と既成杭の2種類があります。
既成杭は工場で作成して現場に輸送するため、杭の長さに制限があり、長い杭が必要な時には継ぎ手により既成杭を伸ばしていきます。
場所打ち杭は、杭を打つ必要のある箇所に穴を堀り、その穴の中に鉄筋を入れてコンクリートを流し込んで固めます。長さの制限がないことと、継ぎ手なしに一体化した基礎杭を作れるので、強度が高くなります。
まとめ
地盤が軟弱な地域、地震の際に液状化が懸念される場所では、直接基礎よりも杭基礎を採用することが多いです。
支持層まで建物の荷重を逃がせるため、直接基礎よりも耐震性が高いと言われています。
一方でコストもかかるため、土壌、気候、予算などを考慮して、適切な基礎を選ぶことが大切です。
今回紹介した基礎杭の種類やその特徴をしっかり把握した上で、後悔しない基礎選びをしてください。