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土木施工管理技士の1 級と2級は何が違う?いきなり1級を取得できるというのは本当?わかりやすく解説します。
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2024年01月31日
土木施工管理技士は国家資格であり、1級と2級の資格があります。
両者の違いは何なのでしょうか。
今回は資格の概要や仕事内容、1級と2級の違いなどについてわかりやすく解説します。
土木施工管理技士とは
土木施工管理技士は橋や道路、河川の改修工事の際に工事の進捗状況を管理したり、安全管理に責任を持ったりする仕事です。
私たちの生活に必要なインフラの整備や自然災害からの復旧工事などに携わっています。
土木工事は危険な作業が多く、専門知識を必要とする仕事であるため、土木施工管理技士には高い専門性と実務経験が求められます。
土木施工管理技士の仕事内容
施工管理には工程・原価・品質・安全の4つの管理業務があります。
工程名 | 内容 | 作業例 |
工程管理 | 作業日を調整し工期内に完成させる | 工程表の作成進捗管理機材や重機の手配 |
原価管理 | 資材費・人件費などを調整予算内に納める | 原価計算経費の計算 |
品質管理 | 工事品質の確保 | 建築物の性能や耐久性に向上写真撮影・記録 |
安全管理 | 事故や災害を防止 | 機材点検危険予知の活動 |
1級と2級で業務の範囲は異なりますが、それぞれの担当で4つの工程管理を行う点は変わりありません。
1級と2級は何が違う?
土木施工管理技士には1級と2級の2つの資格がありますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。
5つの違いを紹介します。
現場の規模が違う
1つ目の違いは現場の規模です。
役職 | 業務内容 | 現場規模 | |
1級 | 監理技術者 | 現場全体の責任を負う | 請負総額4,000万円以上の現場監理技術者の配置が必要 |
2級 | 主任技術者 | 各作業工程の責任を負う | 請負総額4,000万円以下の現場 |
2級の場合、資格が土木・鋼構造物塗装・薬液注入の3つに分かれているため、決められた範囲の業務しか管理できません。
規模についても、4,000万円以下の現場しか管理できません。
1級は全ての業務の監理が可能であり、2級よりも大きな現場の管理もできます。
受験資格が違う
2つ目の違いは受験資格です。
年齢制限(第一次検定) | 第二次検定の実務経験 | |
1級 | 19歳以上 | ①1級一次検定合格後 ・実務経験5年以上 ・特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上 ・監理技術者補佐の実務経験1年以上②1級一次合格者の場合、2級二次検定合格後 ・実務経験5年以上 ・特定実務経験※1年以上を含む実務経験3年以上 |
2級 | 17歳以上 | ①2級一次検定合格後、実務経験3年以上②1級一次検定合格後、実務経験1年以上 |
※特定実務経験:請負額4,500万円以上(建築一式工事なら7,000万円以上)の建設工事で、監理技術者や主任技術者の指導や自分が主任技術者となって施工管理を行った経験のこと
参考:国土交通省
令和5年以前の受験資格が学歴によって分けられていたことと比べると、かなり簡略化されています。
試験内容が違う
3つ目の違いは試験内容です。先ほども述べたように、2級は土木・鋼構造物塗装・薬液注入の3つの種別に分けられています。
それぞれの内容に応じた問題が出題されるため、範囲がある程度限られます。
一方、1級は全ての範囲が出題されるため長期的・本格的な受験勉強が必要です。
年収が違う
1級と2級で業務内容や扱う仕事が違うため、自ずと年収も異なります。
給与体系は企業によって異なるため、一概には言えませんが、1級の給与は2級と比べると年収が50〜100万円ほど多いです。
また、昇給についても幅広い現場を担当できる1級の方が早い傾向が見られます。
会社からの評価が違う
建設会社にとって、土木施工管理技士の1級と2級の違いは大きいです。
まず、公共工事入札時の評価基準の一つに「経営事項審査」がありますが、その際につけられる「技術評価点」が1級と2級で異なります。
1級保有者が1人いれば5点獲得できますが、2級保有者1品の場合は2点の獲得にとどまります。
技術評価点の評価基準に従えば、1級の価値は2級の価値の2.5倍となり、航行工事を受注できる可能性が上がるため、2級保有者よりも1級保有者の方が優遇される傾向があるのです。
いきなり1級から取得できる?
結論からいうと、制度の仕組み上、最初から1級を狙うのは不可能ではありません。
しかし、試験範囲が広いことや二次検定で必要となる実務経験の年数を踏まえると、2級から順番に受験したほうがリスクが少ないといえます。
まずは、限られた試験範囲の2級に合格して自信を深め、それから実務経験を積みながら1級資格取得を目指すのが無難ではないでしょうか。
まとめ
今回は土木施工管理技士の1級と2級の違いを中心にまとめました。
1級保有者は2級保有者に比べて幅広い現場を担当できます。
給与面・待遇面を見ても1級の方がはるかに優遇されますが、最初から1級を狙うのは大変です。
2級を取得してから実務経験を積みつつ1級を目指すキャリアアップが無難なのではないでしょうか。
最初は試験範囲が限られていて実務経験年数が少なくて済む2級から取得したほうが良いでしょう。