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表層改良とはどのような工事?工事が必要な土地や工事の特徴、施工出来ない土地などについて解説!
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2023年12月12日
建物を建てるうえで、基礎となる地盤はとても重要です。
そのため、地盤調査を行って建物の重さに耐えられるか調査しますが、地盤の中には建物の重さに耐えられない軟弱なものも存在します。
軟弱な地盤を改良する方法の一つが表層改良です。
今回は表層改良の工事の概要や表層改良工事が必要な土地、工事の特徴、工事ができない土地、必要なコストなどについて解説します。
表層改良とは
表層改良とは、地盤の浅い部分が軟弱である土地を強化するために行う工事のことで、地上から2メートル以内の地盤を改良する際に行われる工事です。
建物の基礎部分の地面を重機を使って1〜2メートル程度掘り起こして除去し、セメントなどを入れた土砂を投入して地盤を固めます。
地盤改良を行わずに建物を建てると、どのようなことがおこるのでしょうか。
最も懸念されるのは、地盤沈下などにより建物が倒壊してしまうことです。
もし、建築業者が地盤調査や地盤改良を行わず建造物を建ててしまうと、工事を請け負った事業者は損害賠償を請求される恐れがあります。
地盤改良工事には、表層改良工法のほかに柱状改良工法、鋼管杭工法などがありますが、地盤の浅い部分だけを対象とする表層改良は最も低コストな地盤改良工事です。
地盤調査の結果、より深い場所まで地盤改良が必要と判断されると、他の工法に切り替えなければならず、費用がより高額になるので注意が必要です。
古い時代から住宅地であった場所は、地盤が固い可能性が高いですが、田畑や池、沼などを埋め立てて造成した土地は、地盤改良が必要である可能性が高いです。
造成地として整備されているからといって、安易に地盤層が不用であると判断するのはリスクがあります。
表層改良の特徴
表層改良にはどのような特徴があるのでしょうか。
ここでは、表層改良工法の3つの特徴を紹介します。
工期が短くて低コスト
1つ目の特徴は、他の工法に比べて工期が短く低コストであることです。
低コストである理由は、地盤改良が必要な深さが他の工法より浅いからです。
地盤改良の費用目安は、最も低コストな表層改良工法で30~50万円、より深い場所までセメント系固化剤を注入する柱状改良工法で50~100万円、最も深い場所まで杭を打ち込む鋼管杭工法で100~200万円費用が想定されます。
それらに比べると、表層工法は工期が短く低コストだといえるでしょう。
狭い土地でも施工できる
2つ目の特徴は、狭い土地や高低差のある土地でも施工できるということです。
表層改良に使用する重機はバックホーといいますが、他の重機と比べると小回りが利くため、狭い土地でも活動可能です。
多様な土質に対応できる
3つ目の特徴は、多様な土質に対応できることです。
表層改良の場合、地盤の土質に応じて使用するセメント系固化材を変化させて対応できます。
地盤が腐葉土や酸性度であった場合でも、使うセメントの成分を変更することで対応できるため、汎用性が高い工法なのです。
表層改良が適用できない土地
表層改良が向いているのは、砂質や粘土質の土地です。
地下水が流れている場所は、水分が多く含まれているため表層改良に不向きです。
地下水面が改良しようとしている土地よりも浅い場所に存在している土地は、地下水が地表付近まで上昇する可能性が高いため、表層改良に不向きです。
また、改良しようとする地盤の下に空洞がある場合も表層改良に不向きです。
表層改良に不向きな土地を地盤改良するのであれば、他の工法を検討しなければならないでしょう。
表層改良工法の注意点
比較的低コストで土壌改良ができる表層改良ですが、注意すべき点もあります。
施行者の技術に依存しやすい工法であり、職人の技術次第で仕上がりにばらつきがあることです。
表層改良を行う際は、経験豊富な職人がいる工務店やハウスメーカーなどに依頼するのが理想的です。
表層改良の施行の順番
表層改良は、以下の工程で進められます。
・取り除く土の掘削
・セメント系固化材の投入
・固化剤と土をむらなく攪拌する
・重機で締固める
・固化剤の投入から固める作業を繰り返す
土を取り除いた後は、掘削した面の底を均一にしなければなりません。
セメント系の固化剤を投入した後は、固化材と土をムラがなくなるよう、重機でかき混ぜます。
この時も、ムラが発生しないように注意します。
バックホーなどの重機で締固めを行った後、転圧機で地盤を固め、最後にローラーで表面を仕上げていきます。
まとめ
今回は土壌改良の工法の一つである表層改良について紹介しました。
表層改良工事は、軟弱な土壌を強化するために必要な工事の中では最も低コストで実施できるものです。
建築後の建物を安定化させるために必要な工事ですので、ある程度の予算を見積もる必要があります。
工務店やハウスメーカーが取り扱っている土地であれば、地盤調査を前提としていることが多いですが、そういった事業者を通さずに宅地を購入する際は、地盤改良の必要性の有無を確認したほうがよいでしょう。