お役立ちブログ

blog

住宅地にふさわしい地盤の種類は?地盤によって想定される災害や地盤の調査方法を解説

BLOG

2023年11月15日

私たちが生活する家屋は、地盤によって支えられているのはご存じのとおりでしょう。

地盤は火山活動や地殻変動の影響を受けたり、土砂が堆積したりして、長い年月をかけて造られたもので、構成する地質・地層や、年代によってさまざまな種類のものがあります。

また、地盤は、種類によって災害への耐久性も大きく異なります。

現在、あなたが暮らしている家屋の地盤に不安はないでしょうか。

そこで、この記事では、建物を支えるのに適した地盤はどれがいいのか、あるいは地盤の種類などについてご説明します。

住宅地にふさわしい地盤の種類は?地盤によって想定される災害や地盤の調査方法を解説

地盤の種類

造られた時代や構成する岩石の種類などによって、地盤の種類は下の4つの種類があります。

1.「岩盤」(がんばん)

2.「洪積層(こうせきそう)」

3.「沖積層(ちゅうせきそう)」

4.「人工地盤」(じんこうじばん)

地盤沈下などの災害の受けやすさや、地震の際の揺れの大きさは、地盤によって予想できます。

1.岩盤

岩盤から順にご説明しましょう。

【特徴】:

以下の①~③の岩石の集合体で、杭基礎の支持層となりうる堅固なものです。

① 火成岩…火山活動によるマグマや溶岩が冷えて固まったもの

② 堆積岩…海や河などの泥や砂が長い年月の間積み重なって固まったもの

③ 変成…圧力や熱を加えられて変成してできたもの

【種類】:

以下の2つの種類があり、どちらも宅地として問題なく利用できます。

・約2,300万年前以前にできた「硬岩」

・約2,300万年前以降にできた「軟岩」

【災害の受けやすさ】:

・「硬岩」も「軟岩」も強固であるため、宅地として利用できる

・丘陵地の軟岩で大がかりな宅地造成をした場合、地盤の地すべりが発生する可能性がある

・断層が破損している部分の硬岩や、熱水で変質した部分などでは崖崩れや地すべりを起しやすい

・古い岩盤は、風化浸食を受けていることが多く、杭基礎の施工ができない場合もある

2.洪積層(こうせきそう)

続いて洪積層をご説明します。

【特徴】

強固で、以下の2つの層からできています。

・「礫層・砂層」…約250万~2万年前の間にできたもの

・「ローム層」…火山灰が堆積してできたもの(関東ローム層など)

【災害の受けやすさ】

・災害の心配はほぼない

・地盤のよい洪積台地を形成している(武蔵野台地や下総台地など)

【h3】3.沖積層(ちゅうせきそう)

さらに、続いて沖積層をご説明します。

【特徴】

約2万年前にできたもので、土砂が堆積して形成された比較的新しい地層です。
種類によって、軟弱なものと堅固なものとがあります。

【種類】

以下の6つの種類があります。

①「表土」…地表面の最上部にあり、砂や粘土や植物の残骸などによって構成される

②「礫(れき)層」…砂の中に小石などを含む土でできたもの

③「砂層」…砂を含む土でできたもの

⓸「粘土層」…粒子が細かい土でできたもの

⑤「シルト層」…粒径が粘土より大きく砂より小さい

⑥「腐食土層」…枯葉や動物の死骸などが堆積したもの

【災害の受けやすさ】

・表土は軟弱で、宅地には適さない

・地盤が堅固な礫層と砂層は、宅地向きである

・砂層で地下水位が高い地盤は液状化が起こりやすい

・軟弱な粘土層、シルト層、腐食土層は宅地には向かない

・腐食土層は水分を多く含むため地盤沈下しやすい

4.人工地盤

最後は人工地盤をご説明します。

【特徴】

埋め立て地など人工的に造られた地盤で、災害を受けやすいのが特徴です。

【災害の受けやすさ】

・埋立地は、地盤沈下や液状化、津波の被害を受けやすい

・地震が起きると、丘陵地の盛土は地すべりの恐れがある

・地震が起きると、平地の盛土では地盤沈下や液状化の恐れがある

【h2】地盤調査の重要性

災害を回避するために、建築物を建てる前にその土地の地盤を調査する必要があります。

地盤調査により、その土地の地盤の特徴が把握でき、工事の規模や段取り、工事費用などが明らかになるでしょう。

たとえば、地盤沈下や液状化のおそれがある場合、そのリスクを無くすために地盤改良をおこなうことが可能です。

また、住宅瑕疵担保責任保険に加入するには、地盤調査が義務付けられているので、買主の費用負担を減らすことができます。

地盤調査の種類

地盤調査には、以下の方法があり、状況に応じていずれかの方法が採用されることになります。

1.SWS試験(スクリューウエイト式貫入試験)

2.ボーリング調査

1.SWS試験

建物の敷地の四隅と中央の5カ所に、先端がスクリュー状になった棒状のものを差し込み、貫通にかかった重りの重量や回転数から地盤の強度を測定する試験方法です。

1-1.メリット

・比較的低コスト

・狭い場所でも実施可能

・調査期間が短い

1-2デメリット

・硬い地盤があると深部まで貫入できない

・精度が低い

2.ボーリング調査

建築物の建設にあたって、地盤の強度や性質を調べることを目的とした調査です。

一定の深さごとの強度を調べるため地盤に穴をあけ、採取した土から地質を調べます。

2-1メリット

・精度が比較的高い

2-2デメリット

・大掛かりなので費用がかかる

・硬い地盤に当たると貫通できない

・調査期間が長い

まとめ

ここまで、地盤の種類や地盤調査の重要性、調査の種類などについて解説してきました。

地盤によっては、宅地の利用に向いている堅固な種類がありますし、逆に地盤沈下や液状化を招いてしまうような地盤もあります。

不安だと感じた場合は、現在生活している宅地の地盤を調査することです。
そして、宅地に不向きな地盤であることが判明した場合は、すぐに災害に備えて対策を打つようにしましょう。

お問い合わせ

CONTACT

お仕事・採用についてはこちらからお問い合わせください。

048-234-3173受付時間 9:00~18:00(土・日・祝日除く)